民俗女子の自由帳

~この世は不思議が多すぎる~

【アンティーク】ドゴン族のビーズ2種

今回は、ヨーロッパで作られ、西アフリカのドゴン族に伝わったビーズの紹介です。

まずはこちら、19世紀にヴェネツィアで作られたビーズです。通称ムーンビーズ。乳白色かつ、オパールのような独特の輝きを秘めていて、眺めていると時が経つのも忘れるほど。流通量の少ない、貴重なものになります。

f:id:toribeno3:20210513120008j:plain

 

お次は18世紀から20世紀の間にオランダで作られたパドレです。パドレ……ってことはスペイン語やイタリア語でいうところの神父? いろいろ調べたのですが、今のところ由来はわからず。トルコ石のような印象のビーズです。子どものころ買ってもらったプラスチック製のビーズに似ているので、見ていると懐かしい気分になります。
f:id:toribeno3:20210511222550j:plain

さて、このパドレ、なんと江戸時代の日本にも輸出されていて、さらにそれがアイヌにまで伝わっているんだとか。おそらくアイヌ独特のネックレス、シトキやタマサイなんかに使われたんでしょうね。ドゴン族と和人とアイヌにそんなつながりがあるなんて……本当にびっくりです。

 

せっかくなので、このビーズを使って私もシンプルなネックレスを作ってみました。単にチェーンを通しただけで、威張れるシロモノじゃないんですが。

f:id:toribeno3:20210513102425j:plain

表面がつるつるしたビーズは肌触りがよく、身に着けていると落ち着くというか、なかなかいい感じです。 

 

さて、ここからは余談に入ります。このビーズの元持ち主であるドゴン族、彼らは西アフリカはバンディアガラの断崖という場所に住んでいます。断崖の標高差は500メートル、幅は150キロだそうで、そこに25万人が居住。それだけでも十分おもしろいのですが、彼らの神話体系がさらにおもしろく、ユルグという青い狐の設定などは、中二病患者の胸にそれはもうビシバシと刺さってくるんです。なにせ「夜、乾燥、不毛、無秩序、死」の支配者で、「世界の秘密を暴露する力を持っている」とされてるんですから! なんだろう、この「ぼくがかんがえたさいきょうのキャラクター」みたいなわくわく感は!

あと、このちょっと困り者の兄貴を制御するドラミちゃん的存在、しっかり者の妹であるノンモという存在もいて、もうこれでファンタジー漫画一本描けそうじゃない⁉ と鼻息も荒く興奮してしまいました。(まぁ、ドゴン族だけでなく、古い中国の伝奇小説にも「うわぁ、えげつない! なにこのダークファンタジー⁉」と大興奮してしまう設定が散見するので、機会があればいつかそちらも……)

このユルグ、どうやら水木しげるの『悪魔くん(埋れ木真吾 編)』にも登場したようなのですが、自分は松下一郎が主役の『千年王国編』しか知らず……。さすがは水木先生、こんなマイナーな神様をよくご存じで! と感心してしまいました。

話がアンティーク・ビーズから逸れましたが、思いがけない知識が手に入り、さらに世界が広がるのがこの趣味の素敵なところ。お財布と相談しつつ、細く長く楽しみたいと思います。