【アンティーク】戦火を越えて ~大正末期から昭和初期のガラス食器~

大正末期から昭和初期にかけて、東京は上野の仲御徒町に「さくら屋」という甘味処がありました。

お品書きはあんみつ、みつまめ、ところてん。冬場は鉄板でもんじゃ焼き。

一時は和菓子屋さんにあんこの卸しもしていたようです。

 

ところが戦争がはじまり、砂糖が手に入りづらくなりました。

空襲も激しさを増してきたので、店主は断腸の思いで店を閉じ、奥さんと一緒に疎開することに決めたのです。

そのとき持ち出したのが、店で使われていたこの器でした。

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片手にちょうど収まるサイズで、上部は柔らかな乳白色。底部の艶を帯びた黒が全体をほどよく引き締めています。

作りの甘い部分もありますが、甘味処でこれが出てきたら素敵だなと思わせるデザインです。

 

そしてこちらはキャンディーポット。 

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さくら屋の奥さんが愛用していました。

ツマミは傾き、気泡も入っていますが凛とした佇まいの美しい品です。

恐らく昭和初期のプレスガラス製でしょう。

 

大正期の氷コップはアンティーク食器の中では有名なジャンルですが、非常にお高いのといつ使っていいのかわからないので(自分は飾らず使いたい派)、なかなか手が出せずにいます。