民俗女子の自由帳

~この世は不思議が多すぎる~

【伝説れぽーと】4月8日限定のお札2種

 4月8日は花まつり。お釈迦様の誕生日で、この日にお寺を訪れると、甘茶を仏像にかけるイベントが行われていたりしますよね。

 それとは反対に、今では完全に忘れられてしまったのが「虫よけ札を作ること」。4月になれば虫も湧いて出てくるので、甘茶ですった墨でまじない札を作って、部屋の柱に逆さまに貼る、ということがかつては全国的に行われていました。下はその札2種。

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【読み】

  • 今年四月八日の吉日に 五穀の虫をせいばいす(下に九字的なものと五芒星、漢字の「気」カ?)
  • 千早ぶる卯月八日の吉日に 神酒虫のせいばいぞする(五芒星)

 

 宗教関係者に書いてもらうのではなく、家で自分で書くお札です。その人によってまじないの文言が微妙に違っているのがおもしろい! ちなみに2首目に書かれた「神酒虫(かみさげむし)」は「神下げ虫」「紙下げ虫」とも書き、ハエの幼虫……いわゆるウジ虫のこと(!)。ちはやぶる、という枕詞は「神」もしくは「(地名の)宇治」にかかるので、一種のダジャレのようです。

 現代ではあまり意識しませんが、人間の生活は常に虫との戦いでした。水瓶に水を入れて放置すればボウフラが湧くし、米櫃にはコクゾウムシが、着物にはヒメマルカツオブシムシ、木製の道具にはシロアリやシバンムシが……と、枚挙にいとまがない!

 日本人の生活が向上し、廃れてしまったおまじないですが、昔はこんなものがあったんだな、と記憶の片隅に留めておいていただけるとうれしいです。